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意外過ぎ…?クラシック無冠に終わった名馬(3)惜敗女王、ついに覚醒!アーモンドアイもお手上げの圧勝劇

text by 中西友馬

ダート馬や短距離馬を除くと、デビューした多くの馬が最初に目標とするのが、牡牝クラシック。そこを目標に、逆算して出走するレースを決めるのが、現代のスタンダードである。そこで今回は、クラシックで無冠に終わった名馬を5頭ピックアップ。牡牝クラシック3冠のうち2戦以上に出走しながら、勝利を逃した名馬を紹介する。今回は3頭目。

2019年有馬記念を制した時のリスグラシュー
2019年有馬記念を制した時のリスグラシュー

③リスグラシュー

 続いて紹介するのは、リスグラシュー。2歳8月にデビューを果たしたこの馬も、2歳時から世代トップクラスの走りを見せていた。

 デビュー2戦目の未勝利戦でレコード勝ちを果たし、阪神JFではソウルスターリングの2着。

 翌年の牝馬クラシックでももちろん有力候補に数えられていたが、桜花賞では断然人気のソウルスターリングに先着しながらレーヌミノルに敗れて2着。

 オークスではソウルスターリングの逆襲にあって5着。秋華賞ではソウルスターリング不在も、ソウルスターリングの主戦であったルメール騎手騎乗のディアドラに敗れて2着と、常に上位争いを繰り広げながらも無冠に終わった。

 さらには古馬となってからも、ヴィクトリアマイルでハナ差2着に敗れるなど、なかなかG1タイトルに縁のなかったリスグラシュー。

 ようやくG1初制覇を飾ったのは、モレイラ騎手との初コンビで挑んだ4歳秋のエリザベス女王杯であった。

 エリザベス女王杯を勝利した後は、香港ヴァーズ2着、金鯱賞2着、クイーンエリザベス2世C3着と、牡馬相手に善戦を続けたリスグラシュー。

 さらには5歳時の宝塚記念で初コンビを組んだ、D.レーン騎手との出会いで覚醒を果たす。

 その宝塚記念で、リスグラシューは3馬身差の完勝。さらには、秋のコックスプレートも勝利。

 そして引退レースとなった有馬記念にも、特例適用によって騎乗可能となったレーン騎手とのコンビで出走。

 アーモンドアイが断然の1番人気に推されていたが、D.レーン騎手の天才的な進路取りもあって、リスグラシューが5馬身差の圧勝。見事に有終の美を飾った。

 繁殖牝馬となってからは、2023年に初仔のシュヴェルトリリエ(父モーリス)がデビュー。いつか、母の果たせなかったクラシック制覇を達成する子が登場するかもしれない。

【了】
(文●中西友馬)

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