【クラシック無冠に終わった名馬 5選】意外過ぎ…?あの名馬も実はクラシック無冠だった!
ダート馬や短距離馬を除くと、デビューした多くの馬が最初に目標とするのが、牡牝クラシック。そこを目標に、逆算して出走するレースを決めるのが、現代のスタンダードである。そこで今回は、クラシックで無冠に終わった名馬を5頭ピックアップ。牡牝クラシック3冠のうち2戦以上に出走しながら、勝利を逃した名馬を紹介する。
ちなみに、厳密に言えば秋華賞はクラシックではないが、牝馬3冠として秋華賞馬も今回のテーマからは除いているので、ご了承願いたい。
①ゼンノロブロイ
最初に取り上げるのは、ゼンノロブロイ。父は大種牡馬サンデーサイレンス、母は米ダートでG1を勝っているローミンレイチェルという、良血馬であった。
デビュー自体が3歳2月と、クラシックを目指す馬たちと比較すれば遅めではあったが、道中は後方からレースを進め、上がり最速の脚でまとめて差し切って快勝し、デビュー勝ちを収める。
続くすみれSは、後の重賞馬である2頭、リンカーンとクラフトワークに屈して3着となるも、自己条件の山吹賞を勝って2勝目。この時点で皐月賞には間に合わず、目標は日本ダービー。
トライアルの青葉賞に出走し、すでに重賞を勝っているタカラシャーディーや、すみれSで先着を許しているクラフトワークらを抑えて勝利。ダービーへの切符を掴み取った。
そして迎えたダービーでは、皐月賞馬ネオユニヴァース、皐月賞2着馬サクラプレジデントに次ぐ3番人気の支持を集める。
離れた2番手追走から、直線で馬場の良い外に出して伸びるも、その内を追い込んできたネオユニヴァースに交わされての2着。
青葉賞勝ちからダービー2着というのは、くしくも前年の同厩シンボリクリスエスと同じであった。
夏を経て、神戸新聞杯でネオユニヴァースに雪辱を果たして快勝するも、続く菊花賞ではザッツザプレンティの4着に敗れ、クラシック制覇はならなかった。
その後、古馬となっても勝ち切れないレースが続き、1年以上勝利から遠ざかった状況で、天皇賞(秋)を迎える。
神戸新聞杯以来のペリエ騎手とのコンビで、先に抜け出した同厩ダンスインザムードを差し切って勝利。G1初制覇を飾った。
続くジャパンカップでも、残り300m辺りで先頭に立つと、後続に3馬身差をつける快勝でG1を連勝。
さらに有馬記念では、再内枠から2番手のインに収まると、直線では逃げるタップダンスシチーを射程圏内に入れ、最後はきっちりと半馬身交わして勝利。
勝ちタイムの2分29秒5は、前年にシンボリクリスエスが記録した2分30秒5のコースレコードを更新しただけでなく、日本レコードとなった。
さらにはこの勝利で、秋古馬3冠を達成。これは、テイエムオペラオー以来史上2頭目の快挙であった。
翌年は、英インターナショナルSでエレクトロキューショニストの2着になるなど素晴らしい活躍を見せるも、未勝利。その年の有馬記念を最後に引退となった。
翌年から種牡馬生活がスタート。初年度産駒のサンテミリオンがオークスを制し、自身には縁のなかったクラシック制覇を果たした。