【いつまでも語り継ぎたい…クラシック二冠馬 5選】三冠馬と遜色ない?圧倒的輝きを放ったクラシック戦線
皐月賞、日本ダービー、菊花賞──クラシック三冠。その全ての獲得は、競馬において特別な栄誉である。だが、あと一歩届かなかった馬たちの中にも、名馬は数多く存在する。そう、二冠を制する事もまた、至難の業。2025年現在、その偉業を成し遂げた馬はわずか26頭。今回はそんな二冠馬の中から5頭を取り上げ、紹介したい。
①トウカイテイオー(1991年)
日本競馬で初めて無敗の三冠を達成したシンボリルドルフ。その産駒には大きな注目が集まっていたが、初年度からいきなり競馬史に残る名馬が誕生した。それがトウカイテイオーである。
クラシックを目指す馬としては遅めとなる3歳(旧齢)12月にデビューし、そこから4連勝で皐月賞に臨んだトウカイテイオー。だが、その内訳はオープン特別が4勝というものだった。重賞にこだわるより、クラシックを見据えた距離でレースを覚えさせたいという陣営の狙いがあったからだ。
その期待に応えて臨んだ皐月賞では、3歳王者のイブキマイカグラを抑え1番人気の支持を受ける。そしてレースは先行馬のほとんどが掲示板外となった厳しい流れで、好位からメンバー中3位タイの末脚を繰り出しての勝利。世代で抜けた実力を持っていることを示したと言っていい勝ち方であった。
続くダービーでは皐月賞に続いて8枠からのスタート。これまでダービーでは8枠からの勝利馬が出ておらず、戦前には不安説を唱える人も恐らくいただろう。
しかし、ゲートが開くとトウカイテイオーは、外枠の不利などまるでお構いなしといった感じで好位に取りつき、レースを進めていく。そして直線、馬なりで逃げるアフターミーとシンホリスキーを捉えて先頭に立つと、後はライバルたちを引き離しての圧勝だった。
父以来、史上4頭目となる無敗での二冠達成をあっさり成し遂げてしまった。
このダービーで2着に入ったレオダーバンの岡部幸雄騎手は「たとえテイオーが3,4回ミスをしたとしても勝てなかった」と実力差を痛感していた、
また19着に敗れたシンホリスキーの武豊騎手には「ダービーを勝つ馬って、いったいどんな馬なんだろう」と、敗れた事よりダービー馬の背中を想像させている。それくらい、春二冠でのトウカイテイオーの強さは圧倒的だった。