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歴代最強「マル外」はどの馬?外国産馬獲得賞金ランキング【第9位】不死鳥を体現する大往生…愛され続けた馬生

text by 中西友馬

表記方法から名付けられた「マル外」と呼ばれることも多い外国産馬たち。近年は内国産馬の躍進により存在感を薄めつつあるが、2〜30年前には国内外の大舞台で結果を残し、日本競馬を大いに盛り上げた時代があった。そこで今回は、外国産馬の歴代獲得賞金ランキングを、10位から順に振り返る。今回は第9位。

1999年宝塚記念を制した時のグラスワンダー
1999年宝塚記念を制した時のグラスワンダー

第9位 グラスワンダー(6億9164万6000円)

性別:牡馬
戦績:15戦9勝【9-1-0-5】
主な勝ち鞍:有馬記念(1998、1999年)

 第9位にランクインしたのは、グラスワンダー。現役時代は度重なる怪我に悩まされながらも、それを乗り越えてグランプリ3連覇。「不死鳥」と呼ばれたグラスワンダーも、2025年8月8日に30歳でこの世を去った。

 現役時代にライバルとしてしのぎを削っていた、スペシャルウィークやエルコンドルパサーが先に亡くなっていることを思えば、30歳まで生きていたことはもちろん大往生なのだが、やはり寂しいものである。

 グラスワンダーの獲得賞金は、7億円弱。現役時代の戦績や派手さからいえば、9位という順位も思ったより下だと感じたファンの方も多いかもしれない。

 なにせ、グラスワンダーが古馬になってから勝利した3つのG1は、2025年現在の賞金に照らし合わせると、有馬記念が5億円×2勝、宝塚記念が3億円×1勝。これだけで、歴代外国産馬の中では一気に1位までぶち抜く獲得賞金となっている。

 そしてグラスワンダーといえば、やはり1999年の有馬記念。スペシャルウィークと鼻面を合わせてゴール板を通過し、長い写真判定の末にわずか4センチ差でグラスワンダーが勝利。スペシャルウィークに騎乗していた武豊騎手が、勝ったと思い込みウイニングランを行うほど、わずかな差であった。

 激闘を制したグラスワンダーは、スピードシンボリに続く史上2頭目となる、グランプリ3連覇を達成。マル外の枠を越え、1990年代を代表する名馬であった。

【了】

(文●中西友馬)

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