【東大流・次世代スター発掘】「2000勝目」メイショウハッケイに★5 「中京の2歳戦でラスト11.0秒以下は過半数がのちのGⅠ馬」
8月23、24日の2歳戦レビュー
東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが、来年のクラシックを見据えて2歳の有望株を発掘していく連載。今回は8月23、24日に出走した2歳馬のうち、内容がよかった馬、話題になった馬をピックアップ。歴代のタイムやラップとも比較しながら評価する。
【評価の目安】
★7:GⅠ確定レベル
★6:GⅠレベル
★5:重賞レベル
★4:OPレベル
★3:水準レベル
★2:やや物足りない
★1:物足りない
◆メイショウハッケイ
8月23日 未勝利 中京芝1400m 1着
評価:★★★★★
騎手:高杉吏麒
厩舎:栗東・本田優
父:ダイワメジャー
母:メイショウヒサカタ
母の父:シニスターミニスター
《短評》
連闘で臨んだ一戦。ダッシュがつかなかった初戦とは一変、好スタートからさほど促す必要もなく中団追走。直線は外から脚を伸ばし、ステッキに反応して尻尾を振る面も見せながら差し切った。なおこの勝利で「メイショウ」の松本好雄オーナーはJRA通算2000勝を達成した。
勝ち時計1:21.2も優秀だが、さらに特筆すべきはラスト1Fが11.0秒だったこと。中京の2歳戦でラスト11.0秒以下だったレースは過去6例しかなく、勝ち馬はワグネリアン、アドマイヤマーズ、ナミュール、カムニャックと4頭がのちのGⅠ馬であった。
もっとも、この日は後述する新馬戦(アルスマグナ)でもラスト11.3-11.0が出ており、数字が非常に出やすい状況であったことは考慮しないといけない。そのあたりの兼ね合いで「重賞級」の★5と評価する。
◆アルスマグナ
8月23日 新馬 中京芝1400m 1着
評価:★★★★★
騎手:高杉吏麒
厩舎:美浦・池上昌和
父:カレンブラックヒル
母:マグナカルタ
母の父:ルールオブロー
《短評》
大外10番枠からスタートが決まって2番手へ。序盤は少し行きたがったがすぐに落ち着き、残り300mから満を持して仕掛けると反応よく1馬身抜け出した。
道中に12.2-12.6とペースが緩んだおかげもあるが、ラスト2Fは11.3-11.0の加速ラップ。前記メイショウハッケイのところでも述べた通り、中京の2歳戦、ラスト1F11.0秒以下のレースを勝った馬は高確率でGⅠ馬になっている。高速馬場のぶんを差し引いても、重賞での活躍を見込んでいいだろう。