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【スプリンターズS名勝負②】ロードカナロアやグランアレグリアなど名だたる名スプリンターが登場

text by 中西友馬

1967年から、中山芝1200mの重賞として行われているスプリンターズステークス。施行時期こそ何度か変わってきたが、改修工事の関係で東京と新潟で行われた年以外は、常に同じ条件で行われている。最速スプリンター決定戦として数々の名馬が勝利を収め、幾多の名勝負が繰り広げられてきた電撃の6ハロン。その中から厳選した10のレースのうち、後半は2000年代後半〜2020年までの5つを取り上げて紹介する。

Silent Witness
第39回スプリンターズSを制したときのサイレントウィットネス

⑥2005年(勝ち馬サイレントウィットネス)

 現代の競馬では、日本馬が海外のレースに遠征することが増え、春のドバイや冬の香港には、日本のトップクラスの馬が大挙遠征することも珍しくない。

 しかしそれと反比例するように、外国馬が日本のレースに出走することは減り、ジャパンカップでさえ海外からの出走馬ゼロ、なんていうことも起きている。

 そんな中、2005年と2006年のスプリンターズSは、外国馬が連勝。特に2005年の勝ち馬であるサイレントウィットネスは、短距離王国香港の英雄とも言える名馬であった。

 なにがそんなにすごいかというと、なんと言ってもデビューから無傷の17連勝。これは当時の世界記録で、しかも連勝が途切れたのは、守備範囲外のマイル戦。

 チャンピオンズマイルで2着、日本の安田記念で3着と、マイル戦で連敗こそしたが、1400m以下に限っては、17戦17勝という状況で迎えたのが、2005年のスプリンターズSであった。

 人気は単勝オッズ2.0倍の1番人気。安田記念で20キロ以上減らしていた馬体重も、8キロ戻しての出走であった。

 対する日本馬の代表はデュランダル。4歳時にスプリンターズSを制覇しており、5歳時も2着で3年連続の出走。ただ蹄葉炎からの復帰戦で、約10ヶ月ぶりの実戦であった。

 好スタートから好位の外につけたサイレントウィットネス。4角手前から早めに鞍上の手は動いていたが、残り100mで、逃げる昨年の覇者カルストンライトオを交わして先頭。ゴール前は、道中ほぼ最後方の位置どりから矢のように伸びてきたデュランダルを振り切って勝利。デビュー17連勝の力をまざまざと日本に見せつけた。

 その後、スプリンターズSには翌年も挑戦して4着に敗れたが、そのレースを勝ったのは同じく外国馬のテイクオーバーターゲットであった。

 くしくも2024年の高松宮記念に、6年ぶりとなる外国馬、ビクターザウィナーが香港から参戦。果敢にハナを切って3着に粘り込み、日本のファンを大いに沸かせた。ビクターザウィナーは今週のスプリンターズSにも出走を予定している。

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