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【函館記念有力馬診断】重賞初制覇を狙うディマイザキッドの評価は?大混戦の函館記念を斬る…

6月29日、函館競馬場にて行われるG3函館記念に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、レースの行方を占う。

2025年アメジストSを制したディマイザキッド
2025年アメジストSを制したディマイザキッド

◎候補馬(軸候補)

アルナシーム

中山金杯は、一線級不在のメンバー構成だったとは言え、58kgを背負っての勝利で重賞2勝目。複数回の重賞制覇は素直に高い評価をして良い。
レースとしても、道中は内で脚を溜めて、勝負どころでは馬群の中から徐々に外へ進路を切り替えながらポジションを上げていって、最後は外からまとめての差し切り勝ちの素晴らしい内容だった。
一方、中山記念では前残り決着で大外をブン回し惨敗。中山記念のメンバーを前残り展開をまとめて差し切れるほど強くないというのもあるが、展開に左右されやすいキャラであることが浮き彫りになった格好である。
また、大阪杯は力負けだったが、函館記念のメンバーは夏のハンデ重賞であることを考えると、そもそも一線級が集まる大阪杯の惨敗は相手が強すぎただけであり、ノーカウントで良い。
重賞2回の勝利は、函館記念のメンバーであれば実績最上位、能力最上位であることに異論の余地はない。
その分、斤量は2番手集団の57kgより2kgも重い珍しいシーンだが、実績と能力を考えれば妥当な斤量。

ディマイザキッド

アメジストステークスでの連勝は下級条件ではあったものの、大外を回して悠々差し切っており、秀逸な内容であった。この内容だけ走れば、夏競馬のハンデ重賞くらいであれば十分に通用してもおかしくない。
(中略)
したがって、函館記念におけるディマイザキッドは、差しが届くトラックバイアスや展開になれば、まとめて差し切っての重賞制覇も十分にあり得る。

トップナイフ

『パターンE』(他ポスト)のトラックバイアスが出現した札幌記念で2着。馬場が渋ればの条件付き。

△候補馬

グランディア

去年の函館記念では、ホウオウビスケッツとアウスヴァールが1,3着の前残り決着であり、間に割り込んでの2着は悪くない。
さらには、メンバーレベルが去年と同程度の水準であり、斤量が56kgと据え置きの大サービスだったので、去年と同程度の評価が妥当(他ポストの通り)。

ヴェローチェエラ

日経新春杯4着は、マイネルエンペラーよりもロスの大きい競馬であったことを考えると、3着のマイネルエンペラーよりもレース内容的には上だった。
一方で、3着マイネルエンペラーとともに、1着ロードデルレイと2着ショウナンラプンタには力差を見せ付けられた格好だった。
また、比叡ステークスの内容が3勝クラスではあったものの、重賞で通用しそうな破格の内容秀逸だった。
残念だった大阪ハンブルクカップでは、道中の途中までは馬群密度の小さい中団を気分良くポツン追走だった内容だったことを考えると、道中でポジションを下げてしまい、大外を回したとは言え、低レベルなメンバー相手に末脚不発は物足りない。
まとめると、函館記念のメンバーが相手であれば、比叡ステークスと日経新春杯の内容だけ走れば通用しそうだが、大阪ハンブルクカップの低調なレース内容が気掛かりである。

ハヤテノフクノスケ

条件戦における2連勝が圧巻の内容だったが、3勝クラスは最もレベルが低い3000m長距離のカテゴリーであったため、着差だけでの過大評価は禁物。
他ポストの通り、日本競馬で最もハイレベルなのは2000m前後の中距離王道路線である。

△候補ほか(アウスヴァール、キミノノハマリア、ボーンディスウェイ、マイネルモーント、マコトヴェリーキー、ランスオブクイーン)

【了】


プロフィール

玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
https://tamashimaryo.wixsite.com/my-site

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