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ジャスタウェイ 〜父と似た成長曲線を描いた遅咲きのヒーロー。日本馬初の世界一の称号に輝く~

ジャスタウェイ(Just a Way)

4歳まで重賞未勝利も、天皇賞(秋)で衝撃のG1初制覇。5歳でドバイDFを6馬身差の圧勝で世界に衝撃を与え、日本馬初の世界ランキング単独1位を獲得。父と似た道程を歩んだジャスタウェイの歩みを振り返る。

Just a Way

プロフィール

性別 牡馬
ハーツクライ
シビル
生年月日 2009年3月8日
馬主 大和屋暁
調教師 須貝尚介
生産牧場 社台コーポレーション白老ファーム
通算成績 22戦6勝【6-6-1-9】
獲得賞金 5億9569万円
主な勝ち鞍 天皇賞(秋)(2013年)
安田記念(2014年)
ドバイDF(2014年)
受賞歴 最優秀4歳以上牡馬(2014年)
産駒成績 産駒デビュー年:2018年
通算重賞勝利数:7勝
通算G1勝利数:1勝
代表産駒 ダノンザキッド(2020年ホープフルS)

突如覚醒した世界のジャスタウェイ

 ジャスタウェイは、2011年7月に新潟競馬場でデビューした。父はディープインパクトに唯一土をつけた日本馬ハーツクライ、母は現役時代5戦0勝のシビルという血統であった。レースは好位からレースを進めると、直線は突き抜けて後続を5馬身離しての圧勝で、初勝利を挙げた。

 2戦目は新潟2歳S。初戦の圧勝から1番人気に推されたが、2着となった。続く東スポ杯2歳Sが4着、3歳となって迎えたきさらぎ賞でも4着と、あと一歩の競馬が続いていた。そして迎えたアーリントンC。最後方からレースを進めると、直線では目の覚めるような豪脚を見せて重賞初制覇を果たした。しかしその後はNHKマイルカップ6着、東京優駿(ダービー)11着と、G1の壁に跳ね返される。

 夏を経て、古馬に挑んだ毎日王冠で2着と好走するも、続く天皇賞(秋)では6着と、やはりG1は敷居が高い印象であった。
年が明けて4歳となったジャスタウェイは、中山金杯3着、京都記念5着、中日新聞杯8着と、2000mを超える重賞でなかなか結果が出なかった。

 そこで距離を詰めた1800mのエプソムCでハナ差の2着と好走。さらに1600mの関屋記念、1800mの毎日王冠でも2着に入り、重賞2勝目が目前のところまで来ていた。

 そんな状況で迎えた天皇賞(秋)。中団からレースを進めると、直線は、前を走る各馬を一瞬で抜き去る圧巻の競馬。1番人気に支持されていた3冠牝馬ジェンティルドンナ以下を4馬身突き放す圧勝劇であった。自身G1初制覇を果たしただけでなく、父ハーツクライにもG1初勝利をプレゼントした。

 年が明けて5歳シーズンは中山記念から始動した。ここも3馬身半の差をつけて快勝すると、初の海外遠征となるドバイDFに挑戦。ここでも勢いは止まらず、世界を相手に6馬身以上の差をつける圧勝。このレースは後に、ワールドベストホースランキングで単独1位の評価を受け、日本馬で初めて世界一の馬となった。

 凱旋帰国したジャスタウェイは、雨中の安田記念に出走。グランプリボスとの叩き合いをハナ差制して、4連勝で3つ目のG1タイトルを獲得した。

 夏を経て、秋はハープスター、ゴールドシップとともに、凱旋門賞にも挑戦して8着。帰国後は、ジャパンカップ2着、有馬記念4着と2400m超のG1でも通用するところを見せ、引退を発表した。年が明けて1月4日の全レース終了後、京都競馬場で引退式が行われ、ターフに別れを告げた。

 引退後は、種牡馬生活がスタート。初年度産駒から、チャレンジCを制したロードマイウェイを輩出する。さらには、3世代目となるダノンザキッドがホープフルSを制し、G1初勝利。種牡馬としても成功を収めている。

(文●中西友馬)

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