あえてダービー前に考えた!今年の“菊花賞”有力馬(4)偉大なる父と…泥臭い競馬で父仔制覇に期待
牡馬クラシック1冠目の皐月賞が行われ、ダービートライアルも終了。競馬界はダービー一色となっていく時期を迎えている。そんなダービー直前にあえて考えてみたいのが、今年の菊花賞馬について。近年は3歳牡馬の秋の目標が多様化しており、そもそも菊花賞を目標にする馬を予測することが困難な状況。
そんな中、昨年の菊花賞で好走傾向にある馬のデータとして取り上げた「後半5F全て11秒台のラップを刻んだレースを勝利している馬」という条件を利用して、今年の菊花賞馬候補5頭を考えてみた。今回は4頭目。
④エコロディノス
ピックデムッシュは2勝馬であったが、残り2頭は1勝馬。せっかくなので、かなり攻めた選択をしてみた。その1勝馬2頭のうち、1頭目となるエコロディノスは、2歳11月の新馬勝ちが条件を満たしたレース。大外枠から好ダッシュを決めて2番手につけると、前半1000m通過62秒6のスローペースに若干行きたがる素振りを見せながら、逃げ馬を突いてペースアップを促す。
クロワデュノールの新馬戦と同じく、まくってきた馬がいないながらも2番手から前を突くことでペースを上げて、4角では早めに前を捕らえて抜け出す形。その後ろから2着馬が一瞬迫る場面もあったが、1馬身差まで迫られたところから再び突き離す走りを見せ、最後は3馬身半差の快勝であった。
直線平坦の京都とはいえ、ラスト2Fは11秒7-11秒6と加速ラップ。あれだけ早めにペースアップをしながら加速ラップを刻まれては、2着馬が突き離されたのも納得であった。その後の2戦は敗れているが、新馬戦の走りを見ても、距離は長ければ長いほうが良いタイプであることは間違いない。
また、逃げ馬にしたくないという考えで番手で我慢させる競馬をさせているのかもしれないが、逃げるor番手から早め先頭orまくるなど、自ら主導権を握って消耗戦に持ち込むレースも見てみたいと、個人的には感じた。いわゆる綺麗な競馬よりも、良い意味で少し強引な競馬をしたほうが、この馬のバテない強みが生きるような気がしてならない。
菊花賞までに2勝or1勝+トライアルで権利取りが菊花賞出走の最低条件と、茨の道とはなりそうだが、父キタサンブラックとの父仔制覇に期待したい。
【了】
(文●中西友馬)
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