2015年ドゥラメンテの皐月賞制覇から、2025年ミュージアムマイルの皐月賞まで、サンデーレーシングは11年連続でクラシックを勝利している。名実ともに日本競馬界トップクラスの一口馬主クラブといえる。今回は同クラブにおいて、海外から導入された繫殖牝馬の仔である2歳馬の中から、POG指名でも見逃せない注目の5頭を紹介する。今回は4頭目。

④ペトリコール

　母ナイセストは惜しくもG1に手が届かなかったが、祖母のChicquitaは愛オークスの勝ち馬で、フランスオークスではTreveの2着に健闘した名牝である。

　父がJustifyで母の父がAmerican Pharoahというペトリコール。米国三冠を制したこの2頭の組み合わせだけでは砂血統に見えがちだが、彼女の血統表を紐解いていくとMontjeuやデインヒルなど、欧州を代表する名馬もずらりと顔を揃えている。

　つまり、奥深くまで見て行くと芝で走れても不思議ではない血統構成となっており、路線選択の可能性が無限にありそうな1頭といえそうだ。

　ただ、クラブからのコメントは「長い脚が繰り出す柔らかな脚さばきと軽い身のこなしは芝での活躍を予感させる」と出ており、恐らくは牝馬クラシックを目標にローテーションが組まれていくのではないだろうか。

　とはいえ「既に大物感を漂わせ、大舞台での勝負強さも本馬に継承された」「一族に新たな勲章を加える活躍が求められます」という2つの文章から、ペトリコールに寄せられる期待のほどは十分に感じられる。もしかすると、二刀流で世界に羽ばたく名馬となって、競馬の歴史にその名を刻む1頭となってくれるかもしれない。

【了】

（文●小早川涼風）

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