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POG指名で見逃せない…?【2025年サンデーレーシング “輸入繁殖牝馬”の仔 5選】

text by 小早川涼風

2015年ドゥラメンテの皐月賞制覇から、2025年ミュージアムマイルの皐月賞まで、サンデーレーシングは11年連続でクラシックを勝利している。名実ともに日本競馬界トップクラスの一口馬主クラブといえる。今回は同クラブにおいて、海外から導入された繫殖牝馬の仔である2歳馬の中から、POG指名でも見逃せない注目の5頭を紹介する。

ブリーダーズカップフィリー&メアターフ2着ヴァシリカ(写真右 Photo by Joe Scarnici/Getty Images)
2019Breeders’CupFilly&MareTurf 2着ヴァシリカ(写真右 Photo by Joe Scarnici/Getty Images)

①ヴェニゼロス

コントレイル
ヴァシリカ
生年月日 2023年2月19日
性別 牝馬
毛色 鹿毛
調教師 【美浦】林徹


 母は北米で18勝を挙げ、芝の中距離G1も2勝した名馬ヴァシリカ。彼女の父方の祖父は、1998年に米国の年度代表馬にも行われたSkip Awayである。「スキッピー」と呼ばれた彼は現役時代、その愛称が想起させる逃げ脚で北米の砂路線を沸かせた。

 そんな血を継ぐのがヴェニゼロスである。兄であるクラッチプレイヤーは父がドゥラメンテだったが、彼女の父はこれが初年度産駒となるコントレイルに変わった。クラブによると「初年度のコントレイル産駒には筋肉質なマイラー体系の馬が一定数いる印象ですが、ヴェニゼロスは北米の芝中距離G1を2勝した母の影響か、スラッとした四肢に窮屈さのない胴伸び、そして可動域の広い肩関節から距離の融通は利きそう」という、コントレイルの初年度産駒の中でもかなり面白そうなコメントがカタログには掲載された。

 さらに「血統表の多くを占める米国要素はスピード色の強さを物語っており、放牧地でもその能力の高さを誇示しています」との記載もあり、快速でならした曾祖父の速力は確かに受け継がれていると考えてもよさそうだ。

 最後に「多大な期待を背負ってデビューする父産駒ですが、初年度からその期待を凌駕する結果を残しても不思議ではなく、本場がその筆頭となることを願います」という文章で、同馬の紹介は締められている。当時の日本や米国を沸かせた歴史的なスターホースである父と曾祖父に、果たしてヴェニゼロスは続くことができるだろうか。

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