【ダミアン・レーンの“神騎乗”5選】これぞ超絶技巧…人気薄でも買いたくなる天才ジョッキー
今年は特に短期免許の外国人ジョッキーが勝ちまくっている。J.モレイラ騎手にいたってはG1・3勝の大暴れだった。そんな中、来日したのがダミアン・レーン騎手。彼も荒稼ぎする可能性は十分にあるだろう。また、何より彼が騎乗するというだけで、買う要素になってしまう。そこで今回は、これまでD.レーン騎手が勝利したレースに注目。印象的なG1を5つピックアップし、順に紹介していく。
①2019年 ヴィクトリアマイル(勝ち馬ノームコア)
最初に取り上げるのは、レーン騎手が初めて短期免許を取得した2019年に行われたヴィクトリアマイル。
その2週前に新潟大賞典をメールドグラースで制して日本の重賞初制覇を飾ると、ヴィクトリアマイルの1週前に行われたNHKマイルCで、G1初騎乗を果たした(グルーヴィット 4着)。そして迎えたのが、ノームコアに騎乗したヴィクトリアマイルであった。
比較的人気が割れた中で、ノームコアは5番人気(単勝オッズ9.4倍)。同世代の阪神JF勝ち馬ラッキーライラックや、ひとつ上のNHKマイルC勝ち馬アエロリットなどが人気を集める一戦であった。
レースは、好スタートを決めたアマルフィコーストが最内枠を利してハナを切るかに見えたが、それを外からアエロリットが交わして逃げる形。アマルフィコーストは2番手に控え、ラッキーライラックは好位につける。ノームコアはそれを見る形で、中団の前あたりから進めていた。先頭のアエロリットはハイラップを刻み、前半の800m通過は前年より2秒速い44秒8。馬群は縦長のまま4角を回り、最後の直線へと向かう。
直線に入っても、前を行くアエロリットの脚いろはなかなか衰えなかったが、離れた外からラッキーライラックが伸びてくる。ノームコアはラッキーライラックの後ろでなかなか進路が開かなかったが、残り300mあたりでラッキーライラックの外へと持ち出して前を追う。
残り150mあたりでラッキーライラックがアエロリットに並びかけるも、その外から抜け出したのがノームコア。最後はさらに後ろから伸びてきたプリモシーンが差を詰めるも、クビ差しのいで勝利。2着にプリモシーンが入り、半馬身差の3着には内から伸びたクロコスミアとなった。
勝ったノームコアは、悲願のG1初制覇。勝ち時計の1分30秒5は、芝1600mの世界レコードを更新する驚異的なタイムであった。
そしてレーン騎手も、日本のG1を初制覇。ルメール騎手の騎乗停止によって巡ってきたチャンスをしっかりと生かし、テン乗りながらノームコアの能力を最大限に引き出した好騎乗であった。