HOME » コラム » 競馬の基礎知識 » 【ヴィクトリアマイル走破タイムトップテン】異次元の速さ…春の女王決定戦を最も速く駆け抜けたのは?

【ヴィクトリアマイル走破タイムトップテン】異次元の速さ…春の女王決定戦を最も速く駆け抜けたのは?

text by 目白明

今年で20回目を迎える、古馬牝馬限定のG1「ヴィクトリアマイル」。マイル女王を決めるこの一戦では、多くの女傑たちが熾烈な争いを繰り広げてきた。その華麗で熱い歴史の中で、最速タイムを刻んだのはどの馬なのか?ランキング形式でじっくりと振り返っていく。

2007年ヴィクトリアマイルを制したコイウタ
2007年ヴィクトリアマイルを制したコイウタ

10位: 1分32秒5
2007年 コイウタ(天候:晴 馬場:良)

 第10位は、2007年コイウタが記録した1分32秒5だった。コイウタは、歌手の前川清氏が所有することでも知られており、3歳時の桜花賞では3着に入るなど実力を示していた。しかし、近走では勝利がなかったため、この一戦では12番人気と伏兵扱いながら、豪快に差し切ってG1初制覇を飾った。

 スタートすると、先手を奪いレースを引っ張ったのはアサヒライジング、コイウタは道中5、6番手から、その後ろに2番人気のスイープトウショウがつけ、1番人気のカワカミプリンセスは出遅れて、後方から追う展開となる。前半800mを46秒6で通過すると、4コーナー過ぎたあたりから、各馬は荒れている内馬場を避けるように、馬場の良い外に広がり迎えた直線。

 依然5、6番手に位置したコイウタは、騎乗する松岡騎手の密集する外は空かないとの判断で、内を突く戦略をとる。これが功を奏し、前で逃げ粘るアサヒライジングとの差は一完歩ごとに詰まり、残り100mでついに捉えて先頭に立つと、そのまま1着でゴール。

 1分32秒5のタイムでG1初制覇を飾った。また、2着には9番人気アサヒライジング、3着には8番人気のデアリングハートが入り、3連単の配当が228万馬券と、この日の馬場と同様に大荒れの結果となった。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10