HOME » 予想情報 » 【東大流・GⅠ二者択一 天皇賞(春)】ヘデントールvsサンライズアース 買うべき馬はどっち?

【東大流・GⅠ二者択一 天皇賞(春)】ヘデントールvsサンライズアース 買うべき馬はどっち?

text by 鈴木ユウヤ

ヘデントール(写真左)とサンライズアース(写真右)
ヘデントール(写真左)とサンライズアース(写真右)

◆真に「買うべき馬」はどっち?

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に“買うべき馬”はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回は天皇賞(春)(GⅠ・京都芝3200m)が対象。昨年の菊花賞2着馬ヘデントールと、前哨戦の阪神大賞典を圧勝したサンライズアースの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。

【能力評価】

ヘデントールは新馬戦でジャスティンミラノの2着に入ると、後方に構えすぎた青葉賞を除く全レースで連対を確保している。なかでも日本海Sが非常に優秀。3歳馬が夏のうちに芝中距離の3勝クラスを勝つこと自体珍しいが、それも3馬身半差をつけ、ラスト11.7-11.3-11.1の加速ラップまで記録した。菊花賞2着、ダイヤモンドS4馬身差勝ちの実績からもGⅠ級の能力があるのは間違いない。

対するサンライズアースは2走前に3勝クラスの早春Sで敗れるなど、中距離では決して目立つ存在ではない。しかし初の3000m戦となった阪神大賞典は残り1200mから11.7-11.2-11.5-11.5-11.5-12.1と踏む早仕掛けの展開を、2番手から上がり最速で6馬身差勝ち。長距離で才能を開花させた。

どちらも能力の高い馬だが、ここは両者と対戦歴のある2頭をモノサシにしてみる。

まずショウナンラプンタは菊花賞で対ヘデントール0.1秒差。しかし阪神大賞典ではサンライズアースに1.1秒差の完敗を喫した。また、ワープスピードはダイヤモンドSでヘデントールから1.0秒差、続く阪神大賞典でサンライズアースからは1.8秒離された。このことから間接的に、能力評価ではサンライズアースの方が上と推測できる。

【レース条件評価】

ヘデントールは京都の長丁場を菊花賞で経験済み。2着という結果は十分立派だが、コーナーでモタついた点と、直線でやや右にモタれ気味だったのは気になるポイント。左回りがベターで右回りだと操縦性が少し落ちる。

サンライズアースはスタミナ抜群で距離は長ければ長いほどいい。日本国内のGⅠならここが最も適したレースだ。焦点は外回りへの対応だろうか。これまで上がり3Fの自己ベストが34.4秒と瞬発力に欠ける面があり、東京や阪神外回りならばキレ負けする不安はある。ただ、同じ外回りでも京都は残り800mから下り坂で自然とペースが上がり、ロングスパートになりやすいコース。問題なく力を発揮できるだろう。

レース条件評価ではヘデントールに多少の右回り不安がある分だけ、サンライズアースを上と評価する。

【結論】

●ヘデントール
GⅠ級の能力はあるが、ショウナンラプンタやワープスピードを基準にするとサンライズアースよりはやや劣勢と判断。右回りに替わるのもマイナスの材料。

○サンライズアース
阪神大賞典は早仕掛けの展開をものともせず、上がり最速で6馬身差の圧勝。距離は長ければ長いほどよく、国内GⅠで最も適しているのはこのレース。

したがって、今回はサンライズアースを「買うべき馬」に選定します!

※前日の馬場状態まで考慮した最終結論は「競馬ナイト」(https://keiba-night.com/)で公開

【直近のGⅠ二者択一】

レース名 買うべき馬 着順 対抗馬 着順
桜花賞 ○エンブロイダリー 1着 ●アルマヴェローチェ 2着
皐月賞 ○クロワデュノール 2着 ●エリキング 11着
天皇賞(春) ○サンライズアース ●ヘデントール

【了】

(文●鈴木ユウヤ

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

【関連記事】
ドラマ製造工場・淀3200m決戦──GⅠ初制覇が天皇賞(春)の馬 5選
【天皇賞(春)走破タイムトップテン】伝統のマラソンレースを最も速く駆け抜けたのは?
競馬に絶対はない…天皇賞(春)で起きた下剋上【単勝1倍台を打ち破った馬 5選】