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【天皇賞(春)有力馬診断】ジャスティンパレスの復権?サンライズアースなど新勢力も見逃せない…

5月4日、京都競馬場にて行われるG1天皇賞(春)に向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、天皇賞(春)の行方を占う。

Justin Palace
天皇賞(春)を制したジャスティンパレス

◎候補馬(軸候補)

ジャスティンパレス

イクイノックスらを筆頭に、空前のハイレベル世代を相手にして善戦までを繰り返してきた馬だけに、ファンへ地味な印象を与えるのは否めない。
しかしながら、一昨年の天皇賞春は全盛期に近いディープボンドをまったく寄せ付けなかった強い勝ち方だった。
さらには、古馬の王道路線である天皇賞秋、ジャパンカップ、有馬記念、宝塚記念では、イクイノックス、ドウデュース、リバティアイランド、スターズオンアース、スルーセブンシーズらを相手に食い下がってきた。
上記に挙げたような一線級の馬は、天皇賞春には不在であり、それを考えれば押し出される形で能力最上位。展開やトラックバイアス不問で、堅実な末脚がジャスティンパレス最大の特長である。

ブローザホーン

去年の宝塚記念勝ち馬。勝った宝塚記念を含め、去年の日経新春杯で現5歳馬の上位勢を外からまとめて差し切る等、能力的にはG1級。
一方で、適性的には大きな偏りがあるタイプで、420kgそこそこの華奢な馬体からもわかるように、上がり11秒台前半のトップスピードを要求される競馬ではキレ負けするキャラである。
そのため、東京コースのジャパンカップのようなレース質だとまったく競馬にならないが、そこまでトップスピードを要求されない天皇賞春であれば、台頭の余地はある。
ラストがズブズブの展開になれば、スタミナ勝負でアドバンテージがある。レース質の見極めが最も重要な1頭。

サンライズアース

阪神大賞典では、スローペースを見切って、残り1000m前後からロングスパートを仕掛け突き放しての勝利。高い長距離適性を窺わせる圧勝だった。
ジャスティンパレスやブローザホーンら、トップクラスのステイヤーとは未対戦で能力の比較はできないが、脚質的に異端性がある。同じような展開になれば、チャンスはありそう。

◎候補ほか(ヘデントール)

△候補馬

ビザンチンドリーム

前走は異国の地で重賞2勝目を挙げており、地味な印象を持っている競馬ファンが多い一方で、実は隠れた実力馬。
きさらぎ賞では、後に東京新聞杯を制したウォーターリヒトを相手に着差以上に強い勝ち方を見せた。
具体的には、3,4コーナーのコーナーワークで、ほぼ同じ位置取りからウォーターリヒトがロスなくインに潜り込んだのに対して、ビザンチンドリームは大きく外を回してロスの大きなコーナーワークだったにも関わらず、豪快に差し切った。
さらに、菊花賞では、ショウナンラプンタを後方からあと少しのところまで追い詰める5着、上がり最速は悪くない内容。
したがって、能力最上位クラスのジャスティンパレスに見劣りはしそうだが、差しが届く展開になれば上位へ進出できる水準である。

シュヴァリエローズ

若駒のときからホープフルステークス5着やクラシック参戦等、息の長い活躍を続けている馬。
京都大賞典では、全盛期を過ぎていたとは言え、あのディープボンドを沈める勝利。さらには、ステイヤーズステークスでも連勝。
長距離も普通にこなせる適性があることから、能力的には好走までなら可能な水準。

マイネルエンペラー

日経賞の勝利は、スローペースからの前残り決着にトコトン恵まれただけであり、高い評価は不要であった上に、馬場が稍重発表だった割にはズブズブの雨馬場適性が求められる馬場状態であった。
さらには、日経新春杯の3着は、2着のショウナンラプンタに斤量差、ロスのある外から差されており、大きく水をあけられた内容で、着差以上に大きな差がある。
したがって、天皇賞春において、マイネルエンペラーは低評価で良い。印を回すかどうか?当落線上。

△候補ほか(ショウナンラプンタ、プラダリア、ワープスピード)

【了】


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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

▼競馬の教科書シリーズ▼
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