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“その日”は目前か…? ファンも待望の「GⅠ初制覇」に挑む、いま注目の騎手5名

text by 小早川涼風

春のG1シーズンが本格的に始まったが、今年は有力馬とコンビを組む騎手の中で、まだG1タイトルを手にしたことのない騎手も多い。そこで今回は、2025年4月時点で中央G1未勝利の騎手の中から、近い将来G1初制覇を果たしそうな注目の5人をピックアップして紹介する。
ただ、「なぜあの騎手が入っていないのか」と感じる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、多数の有力騎手から5人に絞り込むのは非常に困難だった。そのため、今回名前を挙げなかった騎手についても、決してG1制覇の可能性が低いと考えているわけではない。この点については、どうかご理解いただきたい。それでは、注目の5人を順番に紹介していく。

2024年東京ダービーをラムジェットで制した三浦皇成騎手
2024年東京ダービーをラムジェットで制した三浦皇成騎手

①三浦皇成

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デビュー:2008年(18年目)
重賞勝利数:28勝(中央22勝,地方6勝)
騎手リーディング:最高6位(2019年)
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 デビュー初年度にJRAでは91勝を挙げ、それまで武豊騎手が保持していた勝利数(69勝)を大きく上回る、新人ジョッキー歴代最多勝の記録を更新した。2年目には英国へ遠征し、海外初騎乗で初勝利を飾るという快挙も成し遂げた。その後も第一線で活躍を続け、2023年にはJRA通算1000勝に到達。紛れもない日本有数のトップジョッキーである。

 しかし、JRAのG1では126回騎乗して未勝利。地方のG1級競走では3勝を挙げているが、海外を含め、パート1国での「グレード1競走」に指定されているレースでは未だに勝利がない。2025年の4月にドバイで行われたアルクオーツスプリントでもウインカーネリアンに騎乗し、勝利目前まで迫ったが、最後の最後に英国のBelievingに差し切られ2着に終わった。レース後、三浦騎手が悔しさを滲ませながら語ったコメントに共感し「いつかG1に手が届いてほしい」と思うファンも多いはずだ。

 そして2025年4月現在、三浦騎手のお手馬にはG1勝利を狙える素質馬が揃っている。上記で登場したウインカーネリアンに、3歳牝馬のエストゥペンダ、2024年の東京ダービーを制したラムジェットなどがその代表格だ。特にラムジェットは佐々木調教師から「この馬は一生、皇成で」というコメントしており、人馬への期待のほどがうかがえる。

 G1のウィナーズサークルへ三浦騎手が喜びを爆発させて向かう日は、そう遠くない未来に待ち受けているかもしれない。

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