【マイラーズC有力馬診断】抜けた馬はいない?安田記念へ向けて好走するのは…
4月27日、京都競馬場にて行われるG2マイラーズカップに向けて、『競馬の教科書(オーパーツ・パブリッシング)』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、マイラーズカップの行方を占う。
◎候補馬(軸候補)
ジュンブロッサム
関屋記念で3着だったが、前残りの展開をほぼ最後方から3着にまとめた内容が素晴らしく、この時点で重賞に通用する目処が立っていた。
富士ステークスでは、先に抜け出したソウルラッシュを外から捕まえる内容で快勝。斤量で1kgハンデをもらっていたことを考慮すると、ほぼ互角だったが、ソウルラッシュはマイルCS、ドバイターフの勝ち馬である。
マイルチャンピオンシップと東京新聞杯で惨敗してしまったものの、マイラーズカップのメンバーはオープン特別級。
富士ステークスのパフォーマンスを繰り出せれば、能力最上位クラスで傑出。
セオ
都大路ステークスでは、重賞2勝のアルナシームを完封した。楽に2番手追走して上がり33.5にまとめた結果であり、レース内容自体の価値は低い。
しかしながら、単騎逃げで行けばしぶとい上に、少頭数の京都開幕週。逃げ粘りには要警戒。
ロングラン
去年の小倉大賞典2着に続き、今年は力勝負で外から差し切って快勝。嬉しい重賞初制覇となった。
一方で、小倉大賞典は重賞の中では底辺レベルであり、どちらかと言えばオープン特別級に近い。
まとめると、小倉大賞典で1,2着の実績を2年連続で残しているロングランは、控えめに評価してもオープン特別をボコボコ勝てる水準であるとまでは言える。
したがって、ほとんどがオープン特別級のメンバーであるマイラーズカップでは能力上位。後方から大外をブン回す大味な競馬でも差しが届けば。
△候補馬
ニホンピロキーフ
去年のマイラーズカップでは、ソウルラッシュ、セリフォスがワンツーのレースで3着にまとめる好内容だったが、その後は低空飛行を続けた。
去年のマイラーズカップだけ走れば、今年の低レベルなメンバー相手であれば好走可能な水準である。
一方で、マイラーズカップ3着、マイルCSで8着等、相手なりに走ることがある割にはオープン特別で着外に終わることもあり、出力のムラが大きく計算が立ちにくいことに留意すべきである。
ミスタージーティー
ハイレベルな現4歳世代のクラシックに挑戦したが、若葉ステークスを勝った後は壁に阻まれ低迷。
自己条件で再起を図るも、2000mの3勝クラスで勝ち切れないレースが続いている。
マイラーズカップでは、去年並のメンバーならば通用しない公算が高いが、今年はマイル路線のオープン特別級で頭数も少ない。
したがって、3勝クラスではあるものの、前走、前々走の内容だけ走れば好走可能と判断すべきである。
レイベリング
伝説的とも言える史上空前の低レベルな朝日杯で3着となった後は、自己条件でも低迷したが、オープン入りまでは果たした。
その後は信越ステークスで好位抜け出しからの快勝。1400m路線であればオープン特別を力勝負で勝てる水準である。
一方、信越ステークスはマイル路線のオープン特別よりもレベルが低いことを考慮し、マイラーズカップはマイル路線の重賞ではレベルが低いとは言え、腐ってもマイル路線である。
したがって、バランスを考えて、レイベリングは能力的に、トコトン恵まれても好走までと判断すべきである。
△候補ほか(エアファンディタ)
【了】
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<プロフィール>
玉嶋亮(たましま・りょう)
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率=130%を公言し、累計回収率=148%を記録している。旧作「競馬の教科書(ピンク本)」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。
▼競馬の教科書シリーズ▼
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