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競馬イラストレーターえいたが選ぶ「推しレース」(2)JRA所属前のデムーロが…ドバイWCで日本馬が劇的ワンツー

text by 加島亮介

名勝負の記憶、競走馬が紡ぐドラマ――競馬ファンなら誰しも心に残る“推し”があるはず。今回の『私の“推し〇〇”』では、XやInstagramで競馬イラストを発信し、多くのファンに支持されている人気イラストレーター・えいたさん(@eitanokeiba)に『推しのレース』を5つ語っていただきました。今回は2つ目のレース。

2011年ドバイWCを制したヴィクトワールピサ
2011年ドバイWCを制したヴィクトワールピサ

②2011年ドバイワールドカップ ~日本馬のワンツー決着~

 2つ目のレースは、2011年のドバイワールドカップです。このレースが行われたのは、2011年3月26日。この時期、日本は東日本大震災の直後で、私自身も「こんな時に競馬を見ていて良いのか」と葛藤を抱えていました。

 そのように迷った部分もありましたが「馬が頑張っているのだから応援するべきだ」と思い、レースを見守っていたのを覚えています。ただ正直なところ、その当時は日本馬がドバイワールドカップを勝つなんて、想像もしていなかったんです。

 そんな中で、ヴィクトワールピサが日本調教馬として初めてのドバイワールドカップを制覇。しかも、2着にトランセンドが入るという、劇的なワンツーでした。本当に嬉しくて、気がついたら立ち上がってガッツポーズしていました。夜遅かったので、声を出したらいけないんだけど、思わず叫んでしまったほどです。世間的な背景もあって、心が沈んだような日々が続いていましたが、ヴィクトワールピサの勝利は私にも元気を与えてくれました。

 また、ヴィクトワールピサの鞍上ミルコ・デムーロさんは当時日本競馬所属の騎手ではありませんでしたが、勝利を心から喜んでくれていた様子が印象的で、大好きになりました。それもあって、彼がJRAの長期免許で来日すると決まったのもすごく嬉しかったです。今では「日本人より日本人らしい騎手」といわれるほどになってますよね(笑)。

【了】

(文●加島亮介

【プロフィール】えいた


競馬イラストレーターとして、2020年に活動を開始。ユニークな絵のタッチと表現力のセンスから、瞬く間にファンを獲得していった。今後の活躍が注目される競馬イラストレーターの一人である。
Xフォロワー5.2万人、インスタグラム1.6万人(※2025年4月時点)
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