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天皇賞・春、驚きの最速記録は? 走破タイムトップテン【3位】石橋脩騎手を背に…最強を打ち破った伏兵

text by 目白明

伝統の長距離王決定戦・天皇賞(春)。3200mという中央競馬で最長の距離を誇るG1では、究極のスタミナ勝負が数多く繰り広げられてきた。そんな天皇賞(春)で、歴代最速タイムを記録したのは、一体どの馬なのか。ランキング形式で、10位からじっくりと振り返っていく。今回は第3位の記録。

※2021年に3分14秒7で走破したワールドプレミアは、阪神競馬場での記録のため、今回のランキングには含めていない。

2012年天皇賞(春)ビートブラック(写真右)
2012年天皇賞(春)ビートブラック(写真右)

3位:2012年ビートブラック(タイム:3分13秒8 天候:晴 馬場:良)

 第3位は、2012年ビートブラックが記録した3分13秒8だった。

 2012年に勝ったビートブラックは、2010年の菊花賞で3着になるなど長距離戦を得意としたが、重賞は未勝利。前走の阪神大賞典でも10着に敗れ、14番人気の伏兵扱いだったが、石橋脩騎手を背に積極的なレースプランで、オルフェーヴルら強敵を破る大金星を挙げた。

 ゲートが開くと最内からダッシュをつけてゲートを出た、ビートブラックはハナ立つが、1周目の下りからゴールデンハインドに先頭を譲り、2番手から快調にラップを刻んだ。2番人気のウインバリアシオンは12番手、断然の1番人気であるオルフェーヴルは後方3番手に構えた。1000mを60秒0で進むと、前の2頭が飛ばし、3番手以下に10馬身以上差をつける展開となり、オルフェーヴルは依然、後方に控えた。

 2番手で快調に走るビートブラックは、2周目の3コーナー付近で仕掛ける。先頭のゴールデンハインドを抜き去り再び先頭に立つと、残り600mを過ぎてギアチェンジ。更に加速して後続を大きく引き離して逃げたビートブラックは、直線に入っても2番手以降を引き離し、最後は4馬身差をつける圧勝だった。断然人気のオルフェーヴルは最後まで浮上できず、11着に敗れた。この勝利で、ビートブラックと鞍上・石橋脩騎手は、ともにG1初制覇を果たした。

【了】

(文●目白明

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