天皇賞・春、驚きの最速記録は? 走破タイムトップテン【9位】怪物級の「3分15秒1」。記録した2頭とは?
伝統の長距離王決定戦・天皇賞(春)。3200mという中央競馬で最長の距離を誇るG1では、究極のスタミナ勝負が数多く繰り広げられてきた。そんな天皇賞(春)で、歴代最速タイムを記録したのは、一体どの馬なのか。ランキング形式で、10位からじっくりと振り返っていく。今回は第9位の記録。
※2021年に3分14秒7で走破したワールドプレミアは、阪神競馬場での記録のため、今回のランキングには含めていない。
9位:2008年アドマイヤジュピタ(タイム:3分15秒1 天候:晴 馬場:良)
2014年フェノーメノ(タイム:3分15秒1 天候:晴 馬場:良)
第9位は、2008年アドマイヤジュピタ、2014年フェノーメノが記録した3分15秒1だった。
2008年に勝ったアドマイヤジュピタは、前年の菊花賞馬アサクサキングス、天皇賞・春、秋、春の3連覇を目指すメイショウサムソンを相手に鮮やかに差し切り、G1初制覇を飾った。
スタートで出遅れたアドマイヤジュピタは後方から、2番人気のメイショウサムソンを前に見るところに位置した。メジロアサマからの天皇賞父子4代制覇を目指す先頭のホクトスルタンが、1000mを61秒1で通過すると、勝負どころの2周目3コーナーから4コーナー。先頭を走るホクトスルタンに、1番人気アサクサキングス、メイショウサムソンが追い上げ、これにアドマイヤジュピタも続き、4頭が広がって直線へ。
ここで大外からアドマイヤジュピタが一気の伸びで先頭に立つと、メイショウサムソンがゴール前、驚異的な伸び脚で巻き返しを見せたが、アタマ差振り切ったアドマイヤジュピタが、G1初制覇を果たした。
2014年に勝ったフェノーメノは、前年も天皇賞(春)を制しており、連覇を狙った一戦となった。キズナやゴールドシップらを相手に、怪我を乗り越えての復活し、見事連覇を達成した。
スタート前のゲート内、隣の枠のゴールドシップに威嚇される、フェノーメノだったが、冷静に対応して、スムーズにスタートを切ると、道中は8番手からの競馬となる。1番人気のキズナは後方から、ゴールドシップはさらに2馬身後ろの最後方となった。
1000mの通過タイムは61秒7で進むと、フェノーメノは中団の内をキープ。キズナとゴールドシップは後方2番手、最後方のまま。2周目の3、4コーナーで各馬の差は一気に詰まり、最後の直線へ。
残り200mを切ったところでフェノーメノが先頭に立つと、そのすぐ外のウインバリアシオンも追撃するが、最後まで凌いだフェノーメノが、史上3頭目の連覇を果たした。勝ちタイムは3分15秒1だった。
【了】
(文●目白明)
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