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「激烈にアツい…!」乙女の壮絶バトル…ローズステークス名勝負(3)バチバチの逆転劇…ライバル対決の行方は?

text by 中西友馬

1983年に創設されたローズステークス、当初京都芝2000mで行われていた。1996年以降は秋華賞トライアルとなり阪神に移動した。2007年からは阪神芝1800mとなり、過去4度中京芝2000mでも開催され、2024年も中京開催予定である。そんなローズステークスの歴史から5つのレースをピックアップして紹介する。

Broad Street
第27回ローズステークスのブロードストリート(写真左)

③2009年(勝ち馬ブロードストリート)

 エアメサイアの勝利から4年が経った、2009年のローズステークス。2007年に二千から千八へと距離が短縮されており、千八で行われる3年目のレースであった。

 この年は春2冠をブエナビスタが制覇。その後は凱旋門賞への挑戦を表明していたが、札幌記念での敗戦により断念。秋華賞で史上3頭目となる牝馬3冠に挑むこととなっていた。

 そんな中、ローズステークスへはブエナビスタの最大のライバル、レッドディザイアが出走。春2冠はともに2着で、特にオークスではブエナビスタにハナ差まで迫っていた。最後の1冠での逆転に燃えており、ブエナビスタ不在のここでは負けられないといったところであった。人気も単勝1.4倍と断然の1番人気に推され、発走を迎えた。

 レースは、メモリーパフィアがハナを切り、クーデグレイスが2番手を追走。注目のレッドディザイアは中団馬群のやや後方寄りから進めていた。前半1000mの通過は58.1秒と淀みのない流れで進み、そのまま4角を回って最後の直線へと向かう。

 逃げるメモリーパフィアだったが、残り300mでクーデグレイスが2番手から先頭へと抜け出す。それを目がけて馬群の一番外へと出したレッドディザイアも伸びてきて、前を一気に捕える勢い。しかしその2頭の間から一番良い伸びを見せたのが、道中レッドディザイアの1列前で運んでいたブロードストリート。粘るクーデグレイスを差し切ると、最後はレッドディザイアとの伸び比べで上回って勝利。クビ差の2着にレッドディザイアが入り、さらに1馬身差の3着がクーデグレイスとなった。

 勝ったブロードストリートは、嬉しい重賞初制覇。オークスでは上位2頭に決定的な差をつけられた4着に敗れていたが、夏を越え、見事レッドディザイア相手に逆転を見せた。

 ちなみに、続く秋華賞を制したのは、ローズステークス2着のレッドディザイア。牝馬3冠を目指したブエナビスタは、レッドディザイアからハナ差の2着で入線したが、最後の直線でブロードストリートに不利を加えたとして3着に降着。ローズステークス勝ち馬のブロードストリートは2着に繰り上がり、結果的にはローズステークスのワンツーが入れ替わる形となった。

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