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【東大流・GⅠ二者択一 皐月賞】クロワデュノールvsエリキング 買うべき馬はどっち?

text by 鈴木ユウヤ

CroixduNord_EriKing
クロワデュノール(写真左)とエリキング(写真右)

◆真に「買うべき馬」はどっち?

東京大学卒の競馬ライター・鈴木ユウヤが人気馬2頭のうち、真に「買うべき馬」はどちらかを見極める「東大流・GⅠ二者択一」。
今回は皐月賞(GⅠ・中山芝2000m)が対象。2歳王者クロワデュノールと、同じく3戦無敗のエリキングの対決に焦点を絞って、「能力評価」と「レース条件評価」の両面から徹底検討する。

【能力評価】

クロワデュノールは東京芝1800mの新馬戦を1:46.7で勝利。この時計は「2歳6月の芝1800m戦」としては史上最速であり、従来の記録を1.2秒も上回るものだった。また、レースの後半5F57.3秒という数字も優秀で「2歳7月以前」「1600m以上」「レース後半5F57.9秒以下」で勝った馬はワグネリアン、グランアレグリア、セリフォス、ジオグリフ、リバティアイランドら8頭しかいない。

東スポ杯は休み明けの+24キロと重めでもサトノシャイニングに勝利。ホープフルSはやや内有利な馬場で外を回す安全策をとって2馬身差の完勝だった。対照的に最内を回った2着ジョバンニとは着差以上に力差がある。また、ホープフルSで負かした馬とサトノシャイニングが若駒S、共同通信杯、きさらぎ賞、弥生賞、スプリングS、若葉Sと主要な前哨戦を総なめにした。直接的にも間接的にも世代トップの能力を示している。

対するエリキングもデビューから無敗で3連勝。ただ、こちらは重馬場とスローペースでしか走っていないこともあり、時計面の裏付けが乏しい。野路菊Sの勝ち時計2:02.8は同日の未勝利戦(2:02.3)より遅く、京都2歳Sの2:00.9も同日未勝利戦(2:00.8)より遅かった。ジョバンニを2度破ってはいるが、2戦とも展開ひとつで逆転しうる内容だった。

もちろん一概に「時計が速い=強い、遅い=強くない」というものではないが、現状で見せているパフォーマンスからすると、やはり能力面ではクロワデュノールの方を上位に評価せざるを得ない。

【レース条件評価】

クロワデュノールは今回と同じ中山芝2000mでホープフルSを制覇。コースは既にクリア済みだ。ゲートが上手で先行力もあり、それでいて折り合いもピタっとつく。今のところ不安らしい不安がない。

一方、エリキングはこれまで少頭数戦ばかりで問題になっていないが、あまり操縦性が高い馬ではない。ゲート内の駐立が怪しく出脚はやや遅め、勝負どころでズブさも見せる。フルゲート中山への対応に疑問符が付く。また、前記の通りスローペースの低速決着しか経験しておらず、軽い馬場でテンから流れる展開だと追走に苦労しそうだ。さらに今回は骨折明け、初の関東圏輸送など不安要素が多い。レース条件評価でもクロワデュノールに軍配が上がる。

【結論】

○クロワデュノール
新馬戦から優秀な数字を記録して勝利。東スポ杯とホープフルSで負かした馬たちが主要な前哨戦を総なめにした。能力は申し分なく、コースもクリア済み。

●エリキング
前走、前々走どちらも同日の未勝利戦より遅いタイム。ゲートは遅めでズブさもあり、フルゲート中山の高速決着には不安大きい。

したがって、今回はクロワデュノールを「買うべき馬」に選定します!

※前日の馬場状態まで考慮した最終結論は「競馬ナイト」(https://keiba-night.com/)で公開

【直近のGⅠ二者択一】

レース名 買うべき馬 着順 対抗馬 着順
桜花賞 ○エンブロイダリー 1着 ●アルマヴェローチェ 2着
皐月賞 ○クロワデュノール ●エリキング

【了】

(文●鈴木ユウヤ

<プロフィール>
鈴木ユウヤ(@ysuzuki_keiba
東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、Xやブログ『競馬ナイト』で発信している。「ワイド1点買い」の使い手。2024年の中央GⅠで回収率130%を達成。

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