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矢作厩舎「期待の2歳馬」たち(2)偉大な母の背中を超えられるか? 活躍が「義務付けられた」一頭

text by 中西友馬

今や競馬ファンなら誰もが知る日本のトップトレーナー・矢作芳人師。2020年から2024年の5年間でも無敗三冠の達成やサウジカップ勝利、アメリカのブリーダーズカップ同日2レース制覇など、国内だけでなく世界でも超一流の成績を残している。2025年もフォーエバーヤングでサウジカップを制覇し、史上初めてサウジカップを2勝した調教師となった。今回は、そんな矢作師の下に集まる注目の2歳馬を取り上げていく。二頭目はラヴズプレミアム。

LovesPremium
ラヴズプレミアムの血統表

ラヴズプレミアム

性別:牡馬
生年月日:2023年2月27日
毛色:鹿毛
馬主:DMMドリームクラブ
生産牧場:ノーザンファーム
取引市場:
兄弟(姉妹):
馬名の由来:母名の一部+高級、上質。母名より連想

 マルシュロレーヌがBCディスタフを制覇する少し前、アメリカの芝牝馬女王を決めるBCフィリー&メアターフを優勝したのが、同じ矢作厩舎のラヴズオンリーユーである。それぞれのカテゴリーでBC競走を制した2頭の仔が、時を同じくして矢作厩舎の下に入厩するというのも、何かの縁だろうか。

 父にエピファネイアを持つ同馬の五代血統表を見てみると、シンボリクリスエスにシーザリオ、ディープインパクトにスペシャルウィークと、日本中を沸かせた名馬の血がこれでもかというほどに詰め込まれている。近親にもリアルスティールにフォーエバーヤングというビッグネームがおり、名前の通り『プレミアム』な1頭である。

 同馬が内包しているクロスへ目を移すと、サンデーサイレンスの4×3、Hail to Reason、Northern Dancerの5×5という名血のクロスが発生している。全く同じインブリードを内包している馬には2024年に悪天候の宝塚記念を制したブローザホーンがおり、血統的には彼同様、道悪馬場への適性はありそうな予感がある。

 ラヴズオンリーユーは競走生活の晩年、日本調教馬として初となるエクリプス賞を受賞。日本競馬史だけでなく、アメリカ競馬史にも名を刻んだ。そんな母の初仔となるラヴズプレミアムの募集コメントには『生まれながらに高みを目指すことが義務付けられたサラブレッドと歩む、刺激に満ちた日々がいよいよ始まります』と記されている。母の背中を追い、超えることは果たしてできるか。まずは来春、クラシックの舞台に立つ彼の姿を見たい。

【了】

(文●中西友馬

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