2025年デビュー予定の“名牝の初仔”(4)その名はヨカオウ。九州産のアイドルホース、ヨカヨカの初仔
text by 小早川涼風
現役時代に大活躍を遂げた名牝の仔には、『母を超える走りが見られるか』『あの名馬の仔が走る』と、注目が集まる。それは血が織りなすドラマで、競馬の面白さのひとつでもある。今回は、2025年にデビューを控える名牝たちの初仔から、5頭を取り上げて紹介していく。四頭目はヨカヨカの初仔。

ヨカオウ

プロフィール
性別 | 牡馬 | |
生年月日 | 2023年3月26日 | |
毛色 | 青鹿毛 | |
馬主 | 岡浩二 | |
調教師 | 谷潔【栗東】 | |
生産牧場 | サンデーヒルズ | |
取引市場 | ||
母の主な戦績 | 北九州記念(GⅢ)など | |
馬名の由来 | 良き王様 |
熊本産馬による初のJRA重賞制覇という偉業がなされた2021年の夏から、もう4年の月日が流れた。その大記録を打ち立てたヨカヨカは北海道で母となり、キズナとの間に牡馬を出産した。2歳になったその仔はヨカオウと名付けられ、今年、デビューの時を迎える。
母であるヨカヨカの血統図を紐解くと、大叔父・母にはジャパンカップを制したピルサドスキーや秋華賞を制したファインモーションなどがおり、かなりの良血馬であることが分かる。
さらに、ヨカヨカ自身の兄姉たちも、地方や中央でコンスタントに勝利を挙げている馬が多く、この血脈は堅実に走るのかもしれない。
そんなヨカヨカから産まれたヨカオウは、当歳時、アイドルホースとなった母のぬいぐるみと遊んだり、放牧地を駆けまわったりとかなり元気な様子を見せていたとのこと。
思い返せば母であるヨカヨカは、競走能力を喪失する大怪我を負った過去がある。当時のスタッフたちは、懸命に彼女の治療に徹したはずだ。時が経ち、その息子が再び母と同じ谷潔厩舎へ入厩する。『よか、よか』から『よき王』へ、命を繋いだバトンは手渡された。
【了】
(文●小早川涼風)
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