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【矢作厩舎「期待の2歳馬」5選】世界に羽ばたくスター候補は誰だ!親はGⅠを制覇したゆかりの血統馬たち

text by 小早川涼風

今や競馬ファンなら誰もが知る日本のトップトレーナー・矢作芳人師。2020年から2024年の5年間でも無敗三冠の達成やサウジカップ勝利、アメリカのブリーダーズカップ同日2レース制覇など、国内だけでなく世界でも超一流の成績を残している。2025年もフォーエバーヤングでサウジカップを制覇し、史上初めてサウジカップを2勝した調教師となった。今回は、そんな矢作師の下に集まる注目の2歳馬を取り上げていく。

2025年にデビュー予定! 矢作芳人厩舎の2歳馬たち

MarcheBonheur
マルシュボヌールの血統表

①マルシュボヌール

性別:牝馬
生年月日:2023年4月5日
毛色:栗毛
馬主:キャロットファーム
生産牧場:ノーザンファーム
取引市場:
兄弟(姉妹):
馬名の由来:幸せへの行進(仏)。母名より連想

 最初に紹介するのは、現役時代にBCディスタフを制し、日本調教馬では初となるアメリカのダートG1制覇という快挙を成し遂げた名牝・マルシュロレーヌの初仔であるマルシュボヌール。近親にはナミュールなどがいる、キョウエイマーチから続く牝系の期待馬となる。

 父にドレフォンを持つマルシュボヌールは、Deputy Ministerの5×4という日本ではかなり珍しいインブリードを内包。これに近いクロスを持つ活躍馬だと、2025年のクイーン賞を制したオーサムリザルトがいる。交流重賞競走で無類の強さを誇っている同馬に近いクロスであるという事に加え、母はアメリカのG1、それもBC競走の勝利馬である。マルシュボヌールにもダート三冠路線などでの活躍を期待するファンは多いだろう。

 ただ、父の産駒が活躍している場はかなり多岐に渡っている。たとえば芝ではジオグリフやワープスピードが重賞を勝利。さらに芝、ダートどちらのレースでも好走しているデシエルトもおり、完全なダート型の種牡馬ではない。加えて母であるマルシュロレーヌも4歳夏までは芝を中心に走っていたように、必ずしもダート路線が向いているとは言い切れない。果たして矢作師はどんなローテーションをマルシュボヌールに歩ませるのか、今から初戦が楽しみである。

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