まさに重賞級だった“伝説の新馬戦”(3)後のGⅠ馬3頭が対戦。制したのは2011年宝塚記念の覇者
競走馬としての第一歩を踏み出す「新馬戦」。多くのサラブレッドが未来への期待を背負いながらデビューする舞台だが、振り返ってみると、のちに競馬史に名を刻む名馬たちがくしくも同じレースに出走していた例がある。今回は、そんな「伝説の新馬戦」を5つ厳選して紹介する。3レース目は2007年に行われた新馬戦。
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③アーネストリー(2007年7月8日、阪神・芝1800m)
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1着 アーネストリー (2011年宝塚記念)
2着 トールポピー(2007年阪神JF、2008年優駿牝馬)
3着 ドリームシグナル(2008年シンザン記念)
8着 キャプテントゥーレ(2008年皐月賞)
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この新馬戦は、のちにG1を制する3頭が共演した一戦となった。単勝1.8倍の圧倒的支持を集めた1番人気は、良血馬キャプテントゥーレ。祖母は仏G1馬スキーパラダイス、母はG2阪神牝馬Sを制したエアトゥーレという血統背景を持つ。しかし、このレースでは直線で伸びを欠き8着に敗退。だが、翌春にはG1皐月賞を制し、重賞4勝の実績を残すことになる。
続く3.3倍の2番人気は、5か月後のG1阪神JF、さらに翌年のオークスを勝つことになるトールポピー。
そして、レースを制したのは、6歳時にG1宝塚記念を制するなど、重賞5勝を挙げたアーネストリー。ここでは8.6倍の3番人気に留まったが、最終的に単勝オッズ一桁台の3頭すべてがG1馬となる結果となった。
レースでは、アーネストリーが好スタートから2番手につけるも、無理せず徐々にポジションを下げて中団で待機。それとは対照的に、トールポピーは出遅れながらも積極的に押し上げ、3コーナー手前で6番手、最終コーナーでは3番手に浮上。26.1倍の6番人気だったドリームシグナルも、それにつられるように外から進出し、直線勝負に持ち込んだ。
直線では前が壁になり、もたつくトールポピー。それを尻目に、内ラチ沿いで脚を溜めていたアーネストリーが一気に先頭へ躍り出る。進路を求めて内に切り込みながら末脚を発揮したトールポピーだったが、アーネストリーとの差は広がり、2着に敗退。最後に外から追い込んだドリームシグナルが3着に入線した。こののち、ドリームシグナルはG3シンザン記念を制し、重賞ウイナーの仲間入りを果たしている。
【了】
(文●TOM)
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