4月13日、阪神競馬場にて行われるG1桜花賞に向けて、『競馬の教科書（オーパーツ・パブリッシング）』の著者・玉嶋亮がXアカウントで有力馬の評価を行っている。この記事では、◎候補と△候補に分けて各馬を分析し、桜花賞の行方を占う。

◎候補馬（軸候補）

アルマヴェローチェ

阪神ＪＦでは、道中は中団で折り合い、外から何頭か交わして上がっていったことや、馬群が密集している位置取りであったことを考えると、馬にとってはストレスフルなレースであったと言って良い。3,4コーナーでは距離ロスの大きい進路を通って、直線入口では致命的ではないものの、内にいた馬の煽りを食らって外へ振られるシーンもあった。トラックバイアスは内外フラット、展開バイアスも内外フラットで、外から悠々差し切り。ゴール前でもアルマヴェローチェだけ脚色が違った。
文句の付けようのないアルマヴェローチェの完勝であり、阪神JF組の中では桜花賞の最有力候補である。

エリカエクスプレス

2戦2勝でフェアリーステークスを勝利。相手関係は例年通り低調だったものの、圧勝した内容が破格。好位から抜け出してティラトーレ以下をアッサリ突き放すと、後続との差を拡げ圧勝。阪神ＪＦ組のショウナンザナドゥやビップデイジーらが怪しいことを考えると、阪神ＪＦ組をまとめて蹴散らして、今年の桜花賞馬がエリカエクスプレスになってもおかしくない。

エンブロイダリー

クイーンカップでは、余裕のある勝ちっぷりでまったく底を見せていない。この世代の阪神ＪＦは、他ポストの通り、メンバー間を比較していくと、メンバーレベルがかなり怪しい。
したがって、デアリングタクトの世代のように、別路線組で底を見せていない面々が、クラシック戦線で台頭してもおかしくない。

リンクスティップ

きさらぎ賞ではサトノシャイニングに完敗も、２着は確保した。サトノシャイニングは、現時点でクロワデュノールと対戦した馬の中で最も善戦した馬である。アルマヴェローチが先着を許したマジックサンズは、ホープフルステークスでは見せ場なく敗れたことを考えると、牡馬相手のきさらぎ賞で２着に善戦しただけでも立派である。
したがって、牝馬クラシック戦線おいて、牡馬相手のきさらぎ賞で好走したリンクスティップは、別路線組として高評価すべきである。

△候補馬

ショウナンザナドゥ

フィリーズレビューで巻き返したが、単純にレースレベルが低かっただけで、立て直したというよりは、能力の違いだけで勝った内容だったので、メンバーレベルを考慮して高評価は不要。一方で、クイーンカップで伸びを欠いて惨敗、阪神ＪＦ４着の結果をショウナンザナドゥの現在地として見るべきである。最上位クラスには能力的に見劣る。恵まれて好走までか？

ビップデイジー

阪神ＪＦで２着。そのまま順調であれば、例年は最もレベルの高い阪神ＪＦの中で打倒アルマヴェローチェの最右翼かと思われた。しかしながら、問題はチューリップ賞。阪神ＪＦの後方待機から一転し、好スタートからスムーズに前目で折り合った。馬群密度の小さい２番手をポツン追走、スローペース。。。これ以上ないくらい最高の展開に恵まれたが、後ろにいたクリノメイ、ウォーターガーベラにアッサリ先着を許した。
したがって、ビップデイジーの評価を大幅に下方修正するのに加えて、ショウナンザナドゥらも含めて、阪神ＪＦ組のメンバーレベル自体を疑問視すべきである。

△候補ほか（ヴーレヴー、ウォーターガーベラ、トワイライトシティ、クリノメイ、マピュース、ブラウンラチェット）

【了】

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<プロフィール>
玉嶋亮（たましま・りょう）
1985年生まれ。本業を抱え時間の制約があるため、芝オープンクラスのみにフィールドを限定している。「能力比較」「馬場読み」を中核のファクターとして、パドックや追い切り等は一切見ないスタイル。2021年凱旋門賞の単勝万馬券、2022年AJCCの三連単288万円等の的中実績がある。「単勝多点」「変則フォーメーション」「複勝チャレンジ」等多彩な馬券術に定評があり、設計回収率＝130％を公言し、累計回収率＝148％を記録している。旧作「競馬の教科書（ピンク本）」は、個人出版ながら異例の大ヒットを記録し、2022年11月にベストセラーの座を譲らないまま絶版した。アマチュア最強の予想屋、日本一の競馬作家になるのが目標。

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